『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-』（※1）の上坂浩光監督の最新作『Eternal Return -いのちを継ぐもの-』（※2）を観てきました。これは単なる映画ではなくて、プラネタリウム等のドーム型スクリーンに投影される全天周映像。つまり360度の視界すべてがその映像で占められる特殊な映像作品で、没入感が半端じゃないーー何というか、文字通り自分が“その世界の中に居る”感じになるんですよね。前作では精緻なCG映像で“はやぶさ”の旅を情緒を排して科学的に（それでいて涙なしでは観られない処が凄いんですが）描いて、はやぶさブームの一方の火付け役となりました。そんな傑作に続くこの新作は、同じく星と宇宙を舞台にしながら、さらにとんでもなくスケールアップ。生命のみなもととその行く末をテーマに、宇宙誕生から数百数千万年にも及ぶ生命の旅を圧倒的なスケールで描いていきます
マクロコスモスとミクロコスモス。無生物といのち。暗闇と光。畏怖すら感じさせる宇宙創造の映像に圧倒されながら、幾度となく胸が締めつけられるような切なさを感じました。特に暗黒の宇宙に青い青い地球が誕生するシーンや、闇に沈んだ深海ではじめての生命が誕生するシーンでは、いい歳して泣きたいような気持ちになってしまい、たいへん困りました（笑）。この映像世界にいると、“自分もまたこの宇宙に繋がる生命の一部なんだ”と実感できるのですよ。ーーこれは子どもに見せたい作品だなあ。尺はぐっと短め（35分）ですし、内容も決して難しくありません。というかあの視界を覆いつくす映像世界に触れるだけでも、よい経験になるんじゃないでしょうか。機会がありましたらどうぞぜひ、親子で。
ーーただし今のところ上映館（というかプラネタリウム）が少なく、また上映回数も限られているので、休日祝日のチケット確保はなかなかたいへんっぽいです。当方は渋谷の「コスモプラネタリウム渋谷」で観ましたが、1日2回の上映のチケットを買うために朝から行列しました（笑）。まあ、夏休みが終われば緩和されると思いますが。なお、コスモプラネタリウム渋谷では『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-』も上映しています。未見の方はこちらもぜひ。
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